箱の中の小さな命 

5月に入り、生まれた子猫たちが歩き始めると

 

カラスにやられてしまうか、人の手で捨てられてしまう子がほとんどなのでしょう

 

外猫はあまり増えていない場所が多いようです

 

 

小さな命が消える時、その子猫たちは大きな苦しみに耐え泣き叫んでいるかと思うと

 

探してでも保護してやりたいと思ってしまいます

 

 

増えなくてもそんなむごい死に方をする子を減らしたいという思いから

 

TNR(捕獲して、不妊手術をして元の場所に戻す)をできるだけしていきたいです

 

 

 

写真の仔猫たちも一人暮らしのおじいさんの物置で生まれました

 

左からゴハン、ゴテン、ブルマ、チチ、後ろで顔が見えないのがゴクウ

 

スタッフがドラゴンボールから仮の名前をつけました

 

 

 

ご家族が子猫を処分してくれる場所をスタッフに聞いてきました

 

仔猫を引き取り里探しをする事

 

おじいさんが餌をあげている母猫を避妊手術する事をお約束してもらい

 

しばらくの間、おじいさんの家の中で子育てを母猫がする事に

 

 

 

5匹とも里親様が決まり、5月15日までにお迎え予定です

 

母猫はお乳の腫れが引くのを待ってTNR予定です

 

 

離乳食の練習と、トイレの練習を

 

にゃんむすの社長宅に預かっていただいて始めました

 

みんなもりもりドライフードも食べるようになり

 

トイレも砂でばっちりです

 

小さいのに、本当にいつも教えなくてもできるのは感動しますね

 

(もう少しの間母猫に育ててもらえると助かるのですが

 

どうしても外に行ってしまうので

 

ドアは近所の人もふいに開けるし

 

おじいさんは何度言っても子猫を入れている台所のドアを開けたままに

 

してしまうので、猫が飛び出してしまいます

 

おじいさんは子猫が外に出ても捕まえる事もできませんし

 

カラスに持って行かれる事も考えて移動させました)

 

パルボの心配が無ければ、親子で保護部屋に移動する事もできたのですが・・・

 

 

 

母猫のお乳から離乳食の切り替えで心配していた下痢も無く

 

コロコロのいいウンチ(検便には虫も出ませんでした)

 

 

チチちゃんは背中に猫のが乗っかっているみたいですね

 

黒猫の兄妹もやってきました

 

この頃の子たちは青い目をしています

 

キトンブルーと呼ぶそうですが

 

もう少しすると目の色が変わってきますね

 

あーもんさんがミルクで育て、今はジャズさんにバトンタッチ

 

 

 

 

人の手がなければ絶対に生きていけない子猫たち

 

箱に入れてなぜ置いていけるのか

 

 

人目につかない山や海に捨てられた子たちが今もきっと

 

沢山いるんだろうと思うと悲しいですね

 

ゴールデンウィーク中に捨てる人多いんですよ

 

 

 

先日保護部屋に電話で、子猫が車にひかれそうで

 

危ないので、近くの人に段ボールをもらって入れたと

 

一人の男性から相談がありました

 

その場にいられないというので旅行者かと聞くと

 

まあ、そうですみたいな。。。あいまいな返事

 

保護部屋に連れて来れるか聞くと車が無いからいけないと言う

 

それなのに、仕事で由良にこれから行くと言ってるし

 

車じゃないと行けないでしょう~?

 

地元の方ですか?と聞けば 「はい」と

 

預かる事もできないし

 

私たちが行くのを待てないと

 

○○寿司の前の駐車場に段ボール置いてあると電話も切られてしまい

 

ムートンと焦って、迷い迷い○○寿司を探し

 

駐車場に置かれた段ボールを見つけました

 

ムートンが箱の中を覗いて

 

「ひゃ~~」と声が出ていた

 

箱を開ける時は子猫の状態がどんなかドキドキします

ちっちゃい~~~!

 

うんちにまみれて体が汚れているけど

 

あれ?新聞紙のウンチが乾いているって事は

 

今保護した子達じゃないよね?

 

箱の隅にカルカンパウチが入っているし

 

箱の横には猫用?の器が2つ

 

う~~ん、保護主さんには最初にかかるワクチン代などのご負担を

 

お願いしているのですが、この電話の人は出来ないと

 

まわりをうろうろしていた男の人が非常に怪しかったですが

 

 

 

 

「あら、どうしたの?」とお寿司屋の隣のお店から出てきた女性は

 

ワンニャン会長ほくほくさんのお友達の方でした

 

仔猫がいる事には気づかなかったと

 

汚れた段ボールを処分しておいてくれるというので

 

仔猫たちをキャリーに移し急いで獣医さんへ向かいました

 

目ヤニで目が閉じていたので、開いて眼球が見えると

 

ほっとします

 

癒着してしまっていると、毎日通院しても失明してしまう子もいますので

 

これならすぐに風邪は良くなりそう

 

 

母猫と離れたのが昨日か一昨日か

 

脱水していたので補液してもらって

 

まだ、歯がはえかけてきたところだったので

 

ミルクかなと思いましたが

 

先生があたためてくれたa/d缶を2匹とも吸うように食べ始めました

 

 

どうしよう

 

預かり先が思いつきません

 

頼りにしていたにゃんちさんとエムさんのお家は

 

パルボの子が出たため、ワクチン未接種の子の預かりができません

 

困っていると、先生が

 

「預かりましょうか?」と

 

 

まだお世話が大変なちびっ子なので

 

毎日夜遅くまでの診察や休診日もほとんど無いのに

 

先生の言葉に甘えてしまいました

 

 

こんな状態の子たちはシャンプーは一気に体力を奪うので

 

まずはノミ取りくしでウンチをはがして

 

しっかり食べて、寝て、補液して元気になった状態で

 

シャンプーやノミダニ駆除の薬を使います

 

脱水してる子に駆虫薬はとても危険なんです

 

先生の自宅で猫大好きな息子さんがお世話のお手伝いをしてくれました

 

 

保護部屋からモカ君(元ゴールディ)とメイちゃん(元プラチナ)を迎えてくださった

 

里親様から、白黒のミルク君(先住猫さん)が亡くなって

 

ミルク君に似た白黒の男の子がもし保護部屋に来たら連絡を欲しいと

 

先日LINEでお話したばかりでした

 

猫中心の生活だと幸せな様子をいつも送ってくださっていたので

 

どんなにミルク君とのお別れが辛かった事か

 

ミルク君の代わりにはどの子もなれないけれど

 

ミルク君が命のバトンをこの子たちに渡してくれたのだと思います

 

1週間獣医さんで預かっていただいて

 

まだまだお世話が大変なニップとラップを迎えに来てくださいました

 

 

 

 

名前はムギ君とムサシ君になりました

 

お母さんのお乳が恋しいのか、お腹やオチッコが出るところを吸ってしまうので

 

ゲージは別々に

 

寂しくないようにと肌触りの良いぬいぐるみやミニケットを買って入れてもらっています

 

 

 

 

先生も言っておりましたが

 

顔や手足を離乳食でぐちゃぐちゃにして食べる事や

 

体力が無くて、ご飯を食べている途中で力尽きて寝てしまうと聞いていましたが

 

里親様が工夫して、タオルで体を包んで少しずつ食べさせたり

 

(やはり食べ終わる頃にはコクリコクリと寝てしまうそう)

 

5時間半から6時間おきにこうして食べさせているそうで

 

 

 

 

ご飯の量やオシッコやウンチの時間などもノートに付けてくださってるそうです

 

 

 

汚れた箱も中で必死に生きてた子たちが

 

こんな幸せな姿で、愛情いっぱいで育てていただけ

 

本当に嬉しいです

 

 

 

電話の主にはあまりにも責任な態度にムっときましたが

 

見つけて電話をしてきていなかったら

 

この子たちは生きていけたでしょうか

 

 

いつも思うのは見つけた人が悪いのでは無く捨てた人が悪い

 

見つけて助けてやりたい気持ちはあっても

 

猫にお金を出せない人がいるのは

 

仕方がない事なんだと最近思うようになりました

 

 

 

 

耳の先が壊死して、ぽろぽろと落ち始めたリルちゃん

 

手術をして、長い間カラーを付けていました

 

抜糸が済んで、カラーを外し

 

一生懸命毛づくろいしていました

 

かゆくてもかけない、体をなめてきれいにする猫にとって

 

毛づくろいが出来ないのはとてもストレスだったよね

 

リルちゃん、よく頑張りました

可愛いくて、甘えたさんで

 

ちょっとびびりなところもあって

 

他の猫たちに合わせたらう~う~唸っていました

 

隣のゲージにいたキノ君とはしばらくしたら

 

ゲージ越しに遊ぶようになっていました

 

 

抱っこも好きな

 

遊び盛りの女の子です

 

里親様もリルちゃんに会えるのをとても楽しみにしていますよ

 

耳の先は病理検査で悪い物では無いとわかりホッとしましたが

 

原因はわかりませんでした

 

この活動をしていると、いろんな病気や怪我した子たちが沢山来ますが

 

生きていてくれたら、病気とうまく付き合って

 

怪我は直して、少しでも快適にと思っています

 

 

 

パルボに感染してしまったまーたん

 

頑張って病気と闘いましたが

 

お空へ旅立ってしまいました

 

 

まーたんのいた駐車場に行くと

 

まだそこにいるんじゃないかと姿を探してしまいます

 

パルボに感染した猫はそのまま埋める事ができないので

 

エムさんが火葬を頼んで小さな骨壺に入ったまーたんを

 

「ごめんね、まーたんごめんね」と抱きしめる姿を見て

 

現実に起こった事がなかなか受け止められず

 

一緒にまーたんが住み慣れた場所に泣きながら骨を埋めました

 

 

 

幸せにしてあげたくて保護したまーたん

 

どこでパルボに感染したのか結局わかりませんでした

 

 

まーたんと一緒に保護されたるーたん、かーたん、ポロニは

 

エムさんのお家で同じ部屋にいて、一緒にるーたんは寝ていました

 

3匹とも遺伝子検査で陰性と分かりホッとしました

 

 

まーたんと一緒に診察した保護部屋の猫たちも心配していましたが

 

診察台に出す時も1匹1匹にゃんむすも手袋を変えて注意していました

 

まさかパルボとは思っていませんでしたが

 

風邪を移さないようにと

 

先生や看護師さんも1匹診察するごとに

 

診察台の上や手をAP水(次亜塩素酸水)で消毒していた事が

 

感染の広がりをおさえたと思っています

 

 

ひどい下血で輸血も間に合わず、亡くなってしまったまーたん

 

 

具合が悪くなって毎日続けてインターフェロンや点滴をしていましたが

 

ワクチンのせいと、風邪を悪化させてしまったのが

 

エイズキャリアなのに去勢手術をした事が重なったせいという思い込みから

 

パルボを疑わなかったため、検査をしなかったことで

 

治療が遅れてしまい、後悔ばかりが残りました

 

エムさんも悲しさと苦しさと他の預かりの子達の不安で

 

精神的にもまいってしまったと思います

 

ワクチンでパルボは防げます

 

2~3年に一度でも効果はあるようなので

 

全国的にパルボが流行りそうなのでみなさんのお家の猫を守ってくださいね

 

淡路島ではもう何度か昨年からパルボにかかった猫の話を聞いていますし

 

奈良、京都、福島の保護団体や多頭飼い現場でパルボの報告がありました

 

 

 

 

にぃにぃを保護した漁師さんの小屋に現れるようになった猫

 

まーたんにあまりにも似ていてドキっとしました

 

過酷な外で暮らす猫がいなくなる日はいつ来るのでしょう

 

家族の宝物になる日がこの子にもあるのでしょうか

 

 

それが自分の差し出す手にかかっているのかと思うと

 

あと1匹なら、もう1匹くらいなら、せめて1匹だけでもと

 

自分を止められなくなりそうです(なっててスタッフを困らせていますが)

 

 

 

それから、真剣に津波に流されない場所に新しいシェルターをと

 

考え始めています

 

出来ないとあきらめたら終わりなので

 

出来ると思って計画を立てようと思います

 

 

今の保護部屋は海から近く、津波が来るとわかった時

 

猫たちを全部は連れて逃げる事ができないのに

 

ゲージに入れたまま避難するの?

 

ゲージの扉を開けて生き延びる事を祈るの?

 

確実に大きな地震が来ると言われているのだから

 

いろいろ考えてしまいますね