野良猫の一生

飼い主さんのいない猫を野良猫と呼ぶようになったのは

 

いったいいつからなんだろうか

 

どの子も、家で生まれ家族がいたら

 

大切な存在になったはずなのに

 

外で生まれたり、捨てられた子たちは

 

その一生を暑さ、寒さに耐え、餌やりのいない場所では

 

飢えに苦しみ、すり寄れば蹴られ

 

怪我や病気の時もじっと耐えるしかない

 

本当に過酷で残酷な生活を送る子が沢山いるのでしょうね

 

写真の猫はのらのら

 

漁師さんの小屋で餌をもらい生活しています

 

卒業生のぼんぼん、ビリー、にぃにぃのお父さん

いつもケンカばかりして

 

傷の絶えないボス猫でしたが

 

若い新ボスが強いようで

 

怪我も以前よりひどい事が増えてきました

 

今回は頬を噛まれたようで

 

顔が倍に膨れ上がり、きっと膿がたまっていたのでしょうね

 

この小屋の周りにいる猫たちはみんな避妊去勢手術をしていますが

 

こののらのらだけは捕獲機を置くだけでその場から逃げて行き

 

警戒心が強く4年目にしてやっとチュールを手から舐めるように

 

なったところだったけど

漁師さんから餌を食べなくなったと聞いて

 

心配していたら

 

たぶん腫れていたところが破裂したのでしょう

 

首から膿がしたたり、胸や足がドロドロになっていました

 

抗生剤をウェットに混ぜましたが薬だけうまく残してしまい

 

 

こんなんになっても、近くに寄ると捕まると察してしまうのか

 

逃げて行きます

 

人の入れないような建物と塀の隙間にうずくまってほとんど

 

動こうとしなくなりました

 

 

 

姿をみない日が続き、怪我してから1週間ほどたちました

 

漁師さんから、閉ざされた使われていない小屋に

 

のらのらが入って行く姿を見たと聞き

 

開かずの扉をこじ開けてみると

 

 

網の上で横たわるのらのらの姿がありました

 

近寄っても顔をあげず

 

触っても逃げる体力がもう無さそうでした

いつも自力でどんな怪我も治してきた子でしたが

 

今回の怪我は致命傷になってしまったようで

 

このままにしておけば明日には

 

冷たくなっているだろうと思いました

 

ばぁばぁ(おばあちゃん猫)が瀕死の状態の時

 

頼まれて、獣医さんに連れて行きましたが

(漁師さん、船の操縦はしますが、車の免許を持っていません)

 

その晩、入院室のゲージで息を引き取り

 

ばぁばぁが大好きだった漁師さんの膝で死なせてやりたかったと

 

後悔したので(でもきっと治療しなかったら

 

あの時すぐに治療していたら助かったのではと後悔したのかな)

 

先日、まぁまぁが何日も食べていないと聞き

 

見に行くと、ひどい脱水で

 

動けなくなっていました

 

 

 

 

一目見てかなりひどい状態だとわかりました

 

もう、助からないかもしれない・・・

 

 

「安心できるここで逝かせてあげる方がいいと思う」

 

と、漁師さんに背を向け、私はまぁまぁを撫でながら言いました

 

漁師さんは「お医者はん・・・」とぽつりと言いました

 

振り向くとティッシュで目を押さえ

 

「目がしょぼしょぼする」と

 

涙を拭いている姿を見て

 

生まれた時から見て来たこの子の事は

 

きっと特別な存在なんでしょうね

 

もし、このまま何もしないで死んでしまったら

 

漁師さんが、あの時病院に連れて行ってやればと

 

後悔するのではないだろうかと

 

何がこの子にとって一番良いのだろう・・・

 

 

悩みましたが、獣医さんに電話をしました

 

その日は休診日だったので

 

留守電にメッセージを入れ、折り返しの連絡を待ちましたが

 

先生はその日風邪でダウンして寝ておられたと後で聞きました

 

もう遅い時間でしたので家に帰らねばならず

 

 

明日の朝一番で連れて行こうと決め

 

翌朝見に行くとまぁまぁの姿がありませんでした

 

動けるとは思わなかったので

 

いつもいそうな場所を探しましたが

まぁまぁの姿をその後見る事はありませんでした

 

 

動けたなら何日も苦しんで死んだのではないだろうか

 

今までもある日突然姿を消して、

 

2度と会えなくなってしまった猫は沢山いましたが

 

お家で生活する猫の寿命はどんどん延びていますが

 

野良猫たちの寿命は本当に短く

 

TNRした猫のほとんどが数年後にはいなくなってしまうのです

 

T(Trap) →捕獲して
N(Neuter)→不妊手術して
R(Return)→元の場所に戻す

 

 

 

たった1度だけ姿を見たこの子は

 

ばぁばぁの連れ合い

 

ぼんぼんたちのおじいちゃんです

 

たぶんここのボスだったのだと思いますが

 

のらのらが新ボスになった時に姿を消したようです

 

 

同じようにここで生きて来た

 

ぼんぼんとビリー

 

兄弟一緒に里親様の元で幸せに暮らしています

 

 

まぁまぁとまだ1歳になっていない頃のにぃにぃ

 

にぃにぃも里親様の元で幸せに暮らしています

 

 

この頃ののらのらは耳も立っているし

 

体もきれいに毛づくろいしていますね

尻尾がぼんぼんと同じ

 

でも、にぃにぃたちは

 

のらのらが怖くて、いつも逃げていたようです

 

 

 

 

ビリーはよく捨てられてさまよっている子猫を

 

餌場に連れてきていました

 

まぁまぁが産んだ

 

ケンケン、クークー、アイアイ

 

いつもふらふらと出かけてしまうお母さん猫のまぁまぁに変わって

おばあちゃん猫のばぁばぁが子守りをしていました

 

何だか人間のおばあちゃんと孫の関係のようで

 

見ていてほほえましい姿でした

 

この漁港の裏側に、船が着く港湾がありますが

 

そこには卒業生のおはな夫人やおりんちゃんがいました

今のゴージャスなおはな夫人とは別猫のような

 

痩せて薄汚れていたおはなのお乳を

 

おりんちゃんが吸っていました

 

人馴れしていたおはなはたぶん捨てられた子だったのでしょうね

 

ここでTNRした3匹の猫は3年で2匹が亡くなっていました

 

まだ子猫だったおりんちゃんと、人馴れしていたおはなだけを

 

里親募集させてもらい

 

今は里親様の元で幸せに暮らしています

 

TNRの猫たちには、ほんの数日間の保護部屋の滞在で

 

外に戻すのですが

 

この子たちにとって、術後の数日が

 

家猫になれる一生に一度のチャンスなんだと思うと

 

なかなかあきらめられなくて

 

里親様を短い期間でも探す事が増えました

 

ゲージのスペースや、かかる医療費を考えなければならず

 

なかなかもらわれない成猫を増やす事は出来ないと

 

わかっているのですが

 

あきらめたらそこでその子のチャンスは無くなってしまいますし

 

卒業生たちの幸せな毎日を見ていると

 

どの子もみんなと思わずにいられません

 

TNRはしなければ野良猫は減らないけど

 

本当に辛い活動です

 

 

 

 

野良猫生活に復帰できるだろうか

 

いや、それよりも今は生きる事ができるかどうか

 

 

 

 

はく製のような乾燥してカラカラになっている顔

 

体もやせ細って抵抗する力が残っていませんでした

 

 

かさぶたをはがすと膿が出てきています

 

診察室がすごい異臭で

 

次の患者さんがきっと驚いたでしょうね

 

目もくぼんでしまって

 

先生が思わず「うわ~」と声が出てしまうほど

 

 

今は出来る事をして

 

この子の生命力にかけるしかないけれど

 

きっと生まれた時は可愛いかったろうね

 

誰かの大切な家族になっていたら

 

キャットタワーで遊んだり

 

お布団に潜り込んでぬくぬくしていたのかな

 

 

のらのらを一昨日保護して入院させて

 

昨日は保護部屋に向かう途中にコンビニに

 

1匹のシャム系の猫がいました

 

ここはTNRを進行中の場所で

 

最初に捕獲した子はまだ幼く、人馴れしたため

 

餌やりさんが家族に迎えてくださいました

 

でも、次に捕獲した子はその子の姉妹でしたが

 

もう大人になりかけていて、人馴れしておらず

 

耳カットをして戻しました

 

同じ姉妹の猫なのに、1匹は里親様に溺愛され幸せに暮らし

 

1匹はこれからずっと外での生活です

 

里親募集をしても、全てのTNR猫に里親様が

 

見つかるわけでは無いので

 

どうか怪我をしないでと

 

どうか飢えに苦しむ事がないように

 

どうか苦しめる人がいませんように

 

そう祈るしかありません

 

 

 

ここには大きなシャム系のオスを何度か見た事がありましたが

 

この小さいシャム系の子は見かけませんでした

 

沢山の車が入ってきて、沢山の人が横を通るのに

 

無防備に寝ていて、なでてみるととても痩せていて

 

鼻がつまってズピズピと音がしていました

 

この風邪ではすぐに手術が出来ないだろうなと思い

 

体が小さく女の子だろうと

 

スタッフにTNRの相談メールを送り

 

尻尾をあげて見てみたら、男の子でした

 

ここではあと茶トラのオスをTNRする予定でいました

 

捕獲機を使わず、洗濯ネットで簡単に捕まりました

 

 

ゲージに入れるとご飯をたいらげておかわりを食べ

 

毛づくろいをして、寝ていました

 

くしゃみを連発しているので

 

明日は獣医さんで受診ですね

 

風邪が他の子たちの移ってしまうので

 

階段に置いたゲージで隔離する事に

 

風邪の治療後に去勢手術をして

 

コンビニの駐車場に戻す子です

 

名前はファミー君

 

この子の一生に一度の家猫になれる

 

チャンスのタイムリミットは2週間ほどです

 

ファミー君に運命を感じた方いませんか?

 

 

 

この子は今日引き取り予定の交通事故にあった猫さん

 

ひどい疥癬と、事故の後遺症でふらつきがあり

 

まっすぐ歩けないと思います

 

ゲージも棚には登れないようです

 

たまたま家の前で事故にあった猫を見てしまった方が

 

ほおっておけず、獣医さんに連れてきて

 

かかった医療費負担もしてくれるそうです

 

その方もお家には事故で圧迫排尿させなければならない子がいて

 

この子を飼う事ができず相談を受けました

 

事故で道路で死んでいる猫たちは

 

即死ではなく、長い時間苦しんで死んでいく子も多いです

 

名前は一歩(いっぽ)君に

 

 

はじめの一歩は保護部屋でスタートですね

 

入院室では自力でペットシーツに排泄ができているようだから

 

何とか保護部屋でお世話ができるかな

 

野良猫から保護猫へ

 

保護猫から家猫になれるかな

 

一緒に頑張ろうね一歩君!

 

 

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